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 労働者派遣法改正案が、6月19日にも衆院厚生労働委員会で採決されるとのことです。
 働き方が多様化している今、派遣という働き方も私達にとって非常に身近なものとなっています。今回は、改正案によってどのような影響があるのか、見ておきたいと思います。

 会社は、事業を行っていくにあたり、自分が雇用する従業員以外の人を受け入れて労働の提供を受けることがあります。労働者派遣はそのような企業のニーズに応じる制度の1つです。勤務地や曜日・時間などを選べる、プライベートを優先できるといった理由から、派遣という就業形態を選択する方も多いようです。
 この労働者派遣を規律する法律が、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(以下「派遣法」といいます。)」です。

 派遣法が制定された当初は、長期雇用のシステムが損なわれてしまうことを防ぐために、派遣労働者を就業させることのできる業種や職種を厳しく制限していましたが、1999年や2003年の法改正で緩和されました。しかし、その後派遣労働者の不安定雇用や低賃金問題が深刻化したという状況を受けて、しばしば改正が行われています。

 今回の改正の内容はどのようなものでしょうか?ここでは、特に関係のありそうなものを取り上げます。

(1)専門業務等のいわゆる「26業務」の撤廃

現行制度では26業務については期間制限がかからず、その他の業務には最長3年の期間制限がかかっています。この専門業務等の定義が複雑でわかりづらい制度であったというのが改正の理由として挙げられています。今回この26業務が撤廃になり、全ての業務に同じルールが適用されます。
(2)事業所単位の期間制限

派遣先の同一の事業所における派遣労働者の受入は3年が上限となります。それを超えて受け入れる場合は、過半数労働組合等からの意見聴取が必要になります。
(3)個人単位の期間制限

派遣先の同一の組織単位(いわゆる「課」を指します。)における同一の派遣労働者の受入は3年が上限となります。なお、課を異動すれば、同じ派遣労働者が3年を超えて就業することは可能です。
これまでは業務単位で期間制限がなされていたため、ある業務(期間制限3年)について2年半派遣労働者として就業していたAさんの後に、別の派遣労働者Bさんが就業した場合、Bさんは最長半年しか就業できませんでした。個人単位の期間制限が導入されることによって、Bさんも最長3年まで働くことができるようになります。
 なお、派遣会社に無期雇用されている派遣労働者(無期雇用派遣労働者)は、(2)(3)の期間制限の対象外となっています。

 今回の改正により、派遣先企業は、3年ごとに過半数労働組合等からの意見聴取を行っておけば、人を代えることで派遣労働者を受け入れ続けることができるようになる一方で、現在、専門業務で派遣就業している派遣労働者は、制度変更により3年で職を失う可能性も出てきます。そのため、今回の改正は派遣労働者にとって非常に不利な改正ではないか、と批判の声が高まっています。
 改正案では、派遣労働者と派遣先労働者の待遇のバランスを確保するような措置の強化、派遣会社に対して派遣労働者の正社員化のための教育訓練等の義務付けや、派遣終了時(3年経過時)の派遣労働者の雇用を継続するための措置を取ることを義務付けてはいますが、本当に効果があるのか疑問視する人も多いようです。

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