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振り込め詐欺で振り込んでしまったお金を取り戻すには?

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Q.

 私の父が昨日、振り込め詐欺の被害に遭い、指定銀行口座に振り込んでしまいました。
 警察に連絡し、その後に銀行に問い合わせたところ、警察からの連絡で口座は取引できない状態にしてあるとのことでした。
 被害金を取り戻すためにはどのような手続をすべきなのでしょうか。それとも、このまま警察からの連絡を待っているべきなのでしょうか。

(20代:男性)

A.

 この場合、指定銀行口座が取引できない状態であるからといって、そこに振り込まれた金銭が父親のものであるというわけにはいかず、通常の手続きではこれを取り戻すことはできません。
 方法としては、犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律(振り込め詐欺救済法。以下「当該法律」といいます)による手続きを利用する方法と、裁判によって解決する方法との二つがあります。

 前者の場合、既に口座は取引できない状態にあるということですから、当該法律による銀行取引停止処分がなされているものと思われます。この場合、銀行によって口座残高の公告などが行われますので、被害金を振り込んだ銀行に、分配金を受け取る手続きを聞くのが一番よいでしょう。本人確認資料や振込金受取証などが必要です。ただ、分配金という言葉からも分かるように、被害者が多い場合には、被害額に応じて分配がなされますので、被害金全額の返還を受けられるかどうかは分かりません。

 次に裁判による方法ですが、この場合、まず、銀行口座を仮差押えします。正確にいえば、銀行口座名義人を債務者、銀行を第三債務者として、債務者の第三債務者に対する預金払戻請求権を仮に差し押さえることとなります。この手続きを経由することによって、口座にある預金が凍結され保全されます。そして、本裁判で勝訴した場合に、銀行から父親に口座から勝訴金額が支払われることになります。
 この仮差押えをしたら、本裁判を起こすことになります。不法行為に基づく損害賠償請求訴訟となります。ここで勝訴をして裁判が確定すれば、先の仮差押に基づいて、銀行口座に対して強制執行を行うことになります。

 ところで、仮差押えにしろ、裁判にしろ、当事者(債務者ないし被告)を特定することが必要です。この場合、父親は口座に金銭を振り込んでいるのですから、偽名であるかどうかは別として、その氏名は分かっているだろうと思います。問題はその住所です。この点は、警察に頼み込んで、口座名義人の住所を教えてもらうしかないでしょう。住所も出鱈目である可能性が高いと思われますが、それでも裁判を起こし、公示送達手続きで裁判をすすめるという方法もあるかと思います。
 ただ、警察が住所を教えてくれなかった場合には、いかんともしがたいというのが現状です。

 なお、振り込め詐欺をした者が逮捕された場合、取調べ過程において、他にも使用した口座を自白することもあるかもしれません。その場合は、裁判を待たずに、警察からの連絡で、当該銀行口座は取引停止となり、先に述べたように公告等がなされます。しかし、この口座に被害金を振り込んだ場合でないと、分配金は受領できませんので、前に述べた裁判による方法をとるしかないと思われます。

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