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鉄人・中村孝明氏が教える炊飯器で米を美味く炊く為の一手間

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 その道の達人がプライベートで選ぶツールは一体どんなものなのだろうか──。家電量販店には様々な謳い文句を掲げた炊飯器が並ぶが、「料理の鉄人」の着眼点は一味違う。炊きあがりにとことんこだわる中村孝明氏(「中村孝明 貴賓館」オーナーシェフ)が愛用しているのが、三菱電機の蒸気レスIH「炭炊釜」だ。中村氏に道具選びのコツと製品の特性を活かす使い方を聞いた。

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 買ったのは3年前。この形(直方体)だとコンパクトだし、キッチンにぴったり収まると思って選んだ。蒸気が出なくて炊ける時の匂いがしない。かといって本体が熱くなることもなく、孫が近くにいても火傷する心配もない。

 特にいいのは内釜を炭コート(炭を砕いて塗料に含ませるコーティング)しているところ。赤外線効果で熱が米の芯まで伝わり、甘さが出る。固さは5段階、粘りは3段階に調整できて、「標準」の設定だとシャキッとした食感の炊きあがりになる。ふっくら柔らかく、といういわゆる炊飯器のイメージではなく、釜炊きならではの感触が追求されている。

 僕が本当に好きなのは、おふくろが炊いてくれたかまど飯。昔は「巨人・大鵬・玉子焼き」といったけれど、かまど飯に玉子焼きを乗せる組み合わせが今でも忘れられない。その記憶に近い、うまい飯が炊けるんだよ。

 このIHジャーでシャキッと炊きあがった飯は寿司に向いていて、蒸し寿司風のメニューをつくると抜群にうまくできあがる。たとえば炊きあがってすぐに桜エビを散らして、ふたを閉めて5分くらい蒸らす。これはうまいよ。これからの季節はウナギもいい。炊きあがった米の上にすぐに入れると、赤外線効果でふっくらした蒸しあがりになる。

 さらに、米をよりおいしく炊くために大切なのは炊く前のひと仕事だ。炊飯器が良くてもこれを怠ると味がどうしても落ちてしまうから気をつけないといけない。

 まずは洗い。米を水にさらして3つ数えたらザルに上げる。これをやることでヌカ臭さが取れる。次に米を洗う。強くやりすぎると大事な表皮が破れて炊いた時に旨みが流れ出るから、優しく丁寧に研ぐ。そうすればプリプリと立った米が炊ける。

 僕らは仕事では本物の釜を使い、米の乾燥具合まで気にして水につける時間を調整する。家庭でそこまでやるのは難しいけれど、おすすめしたいのは地元のお米屋さんと仲良くなること。その時期にどこの産地のものがいいのか教えてもらえるし、人によっては水につける時間や炊き方を教えてくれることもある。

 あとは炊飯器だとどうしても釜で炊くのと違ってパサパサ感が出るから、炊く前でも炊きあがってからでも、バターのひとかけらやサラダ油のひとさじを入れる。そうするとしっとりした炊きあがりになる。他にも炭を一緒に入れるとふわっとした仕上がりになるなど工夫の余地はある。道具を選び、一手間かけると全く違った炊きあがりになるんだ。

【プロフィール】中村孝明(なかむら・こうめい):1947年長崎県生まれ。日本を代表する老舗料亭『なだ万』で料理長を務める。1996年、フジテレビ系『料理の鉄人』で2代目・和の鉄人を担当。『なだ万』を退社後、現在は横浜の『中村孝明 貴賓館』など、3店舗を経営する。

撮影■小笠原亜人矛

※週刊ポスト2015年6月26日号


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